【史跡】今なお残る統治の面影ー台北市内に残る日本統治時代に作られた建物たち

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こんにちは、Fumiです!

台湾は1985(明治28)年4月17日から1945(昭和20)年10月25日まで日本に占領されていました。そのため、台湾各地には日本によって建設された建物が今なおたくさんあります。今回は、台北市内に残る日本統治時代の建物を3つご紹介いたします!



まるで東京駅!中華民国総統府

中華民国は現在の台湾の正式名称です。この台湾の政治を担っているのが、ここ中華民国総統府です。中華民国総統府は日本人の建築家長野宇平次により設計され、1919(大正8)年に台湾総督府として完成しました。(ちなみにこの長野宇平次さん、筆者Fumiと同じ新潟県の出身です!)

太平洋戦争末期にはアメリカ軍による空襲により内部が全焼、中にいた多くの職員が死傷し建物も大きく損傷しました。その後、戦争終結後に中国大陸から台湾へ進駐した蔣介石率いる中華民国政府が接収し修復を行ったため、1948(昭和23)年に現在の姿に戻りました。
1949(昭和24)年より中華民国国民党は中国大陸から台湾に首都機能を移転します。そして現在同様、中華民国総統府としてこの建物は利用されるようになりました。現在、中華民国総統府は台湾の文化資産保存法により、国定古蹟として登録されています。

赤煉瓦の外壁が印象的な、東京駅に似た建物ですよね。それもそのはず、設計者の長野宇平次は東京駅を設計した辰野金吾の弟子なのです。

建物は近くで撮影していると警備員さんに止められます。館内は平日の午前9時から12時までは無料で見学が可能で、月に一度全館開放日が設けられています。全館開放日では終日見学が可能で、通常は写真撮影禁止ですがその日のみ撮影が可能となり、通常の見学コースでは見ることのできない区域も見学可能となります。次回はぜひ全館開放日に行き、内部を見学してこようと思います!

 

戦争の面影を残す司法院

司法院は1934(昭和9)年に完成しました。戦前は台湾総督府高等法院、台北地方法院、検察局が置かれ、現在は司法院、最高法院が置かれています。今も昔も台湾の最高司法機関の役割を担っている建物です。

この建物の一番の特徴は外壁の色にあります。先ほど紹介した台湾総統府に比べると、なんだか地味な印象を受けませんか?そうです、この外壁の緑色は「国防色」と言って、空襲の標的にならないように工夫されたものなのです。戦時中、日本国内では国民は「国民服」と呼ばれるカーキ色の服を着るように命じられていました。司法院の外壁から、建物も戦時体制になっていたことがわかりますね。

司法院は内部見学はできないため、外からの見学のみとなります。こちらは近くで撮影しても特に何も言われませんでした。



日本の降伏調印式が行われた台北中山堂

中山堂は日本人の建築家井出薫の設計で、1936(昭和11)年12月26日に完成しました。1945(昭和20)年までは台北公会堂と呼ばれていましたが、戦後蔣介石率いる中華民国国民党政府による接収が行われると台北中山堂と改名され、1992年1月には中華民国政府により国家二級古跡に指定されました。

館内は大ホールと小ホール、食堂、台湾文化を学べるサロンがあり、現在もコンサートや舞台公演、結婚式などに使用されています。

この中山堂は、1945(昭和20)年の日本の敗戦時、台湾にあった第10方面軍司令官安藤利吉陸軍大将が降伏調印を行ったことでも知られています。そのため、敷地内にはこのような抗日戦争勝利の記念碑が建っています。

 

手前の碑文には、明治維新後の日本の台湾や中国への侵略、太平洋戦争の勃発、台湾人が被った被害などについて書かれていました。私が一文字一文字噛みしめるように読んでいると、台湾人の小さな男の子が隣に来て一緒に読みはじめました。「台湾から見た歴史に直面する日本人と未来を担う台湾人。」まさにこの言葉通りの姿だったと思います。

台北市内には今回紹介した建物以外にも多くの日本統治時代に建てられた建築物があり、台北市以外にも日本統治時代に建てられた建物や日本に関係する建物が多く残っています。私はこれらの建物を見て、この国がかつての占領地であったことを強く感じました。本や映像で見て知っていても、実際に見るとその建物の背後にあるこれまでの歴史を強く感じられるような気がして、日本人として「戦時期の台湾と日本の関係、そして台湾人の気持ち」をもっと深く知りたいと思いました。次回台湾に行った際は、さらに深い取材をして皆さんにお伝えできるようにしたいと思います。

 

アクセス

台湾総統府、司法院、台北中山堂はそれぞれMRT西門駅と小南門駅から徒歩15分圏内にあります。ぜひ皆さんも台北に残る日本統治時代の建物を探してみてください。

撮影:Fumi





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