【活動報告】戦争の傷跡と共に暮らす家 ・ 第一回見学会

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以前投稿した取材記事『戦争の傷跡と共に暮らす家』 について、10月下旬、一回目の見学会を開催しました。



お越しいただきましたのは、戦争遺跡保存全国ネットワーク 運営委員でいらっしゃいます東海林次男氏です。


<東海林氏と茂さま・主屋前で>

 

<当日配布資料>

 


<戦中に三人の憲兵が来訪し、太さを測って行ったという欅>

 

<玄関先にあったという防空壕跡地>

敷地内を農地として使用するため、戦後直ぐに埋め戻したとのことです。

 

<江戸時代から続く家系についてご説明を受けました>

 

<屋内の爆弾破片の通過痕の説明をなさる茂さま>
破片は戸棚上段の中の布団で止まり、下の段への貫通は無かったとのことです。

 

<近隣にお住まいの茂さまのお兄さまも合流>
お二人とも『機銃掃射ではなく、家屋の西側にあった畑に落ちた爆弾の破片である』とのご記憶で、斜め上からの創痕である理由は、高く吹き上がった破片が上空から落ちてきたときのものであろうとのことです。
お兄さまもこの日のことはよく覚えていらっしゃり、空襲が収まって屋内に入ると、家中の障子が全て外れて倒れていたとのことでした。
障子自体が破損していた記憶はなかったそうですが、爆風の衝撃の大きさを感じる証言です。

 

<柱の左脇にある床の間の創の説明をなさる茂さま>

 

<ガムテープで修繕してある床の間の裏側>

 

<屋内のご案内の後、振舞われた柿をいただきながら聞き取りを>
創痕を見せていただいた後は東海林氏が茂さまとお兄さまから聞き取りをなさり、爆撃により防空壕で生き埋めになった近所の少年が掘り出されて助かったお話や、3 月10 日の東京大空襲後の4 月に兄弟で疎開したお話、現在は建て替えてしまったそうですが、ご近所にも屋内に創痕があるお宅があったとのことです。
焼夷弾の殻や爆弾の破片などが落ちているのをよく見かけたそうですが、当時は珍しいものでも無いので拾ってとっておくこともしなかったそうです。
6 月に取材をした後電話やメールで何度か連絡を取り、9 月に見学会の打合せを行うことで、茂さまとお兄さまからはいろいろとお話を聞いていたつもりでしたが、東海林氏の証言の引き出し方が上手で、初めて聞くお話がたくさんありました。
本日の聞き取りにより、門に向かう途中の納屋の地下に貯蔵庫があったとのお話が出ましたので、帰りがけに見学させていただきました。



<戦前から農作物等を貯蔵する地下室があり、入り口のあった辺りの説明を受ける>
お兄さまは空襲時、この納屋のほうに避難したこともあったそうです。
時々入り口から頭を出して、艦載機が飛んでいくのを見たりしていたとのことです。
恐さよりも好奇心のほうが強かったと、少年らしいご記憶を話されていたのが印象的でした。

 

<納屋の裏手に保管されてある紙製のドラム缶>
最後に、配給品が入っていたという紙製のドラム缶の説明を受けて第一回見学会は終了しました。

【 東海林次男氏より 】
前回創痕について、東京大空襲・戦災資料センターの主任研究員・山辺昌彦氏にお話を伺った際に、葛飾区郷土と天文の博物館 収蔵の額装された機銃痕についてのお話がありましたが、この日は東海林氏より、滋賀県平和祈念館 内には機銃痕の残る家屋の一部が移築されていることを教えていただきました。


<東海林次男氏よりご提供いただいた資料と写真>
また、東海林氏より当日の様子について、創痕の残る他所の戦争遺跡のご紹介
とあわせて見学記を寄せていただきましたので是非ご覧下さい。
sensounokizuato
※ リンクをクリックするとPDF ファイルが開きます。

【 遺跡保存の道について 】
現在家主さまは文化財や戦争遺跡としての保存というよりは、飲食店や宿泊施設とし
ての転用を目的とした方に家屋を引き取っていただきたいと希望していらっしゃいま
す。
ご関心のある方はhistory for peaceメール info@historyjapan.org までご連絡ください。

【 今後の見学会の実施について 】
希少な戦争遺跡として、現地を訪ねてみたい方はご一報ください。
家主さまのご都合と合わせて実施を企画します。
連絡先 : info@historyjapan.org

【 第一回見学会・まとめ 】
ご案内いただいた茂さまのご好意と、遠方からお越しいただきました東海林氏の寛大
なご対応により、至らないながら初めての見学会を実施することができました。
創痕が付いた具体的な時期については、法政大学中学高等学校・教諭で武蔵野の
空襲と戦争遺跡を記録する会  の牛田守彦先生により、『東京大空襲・戦災誌〈第3 巻〉』を調べたり、現地の聞き込み調査を行うことが有効とのアドバイスをいただいています。今回の見学会で、東海林氏が引き出されていらっしゃいました近隣家屋に創痕が残っていた証言等、まだ当時を語る方がいらっしゃることがわかりましたので、諦めずに調べてみたいと思います。
2018.11.21. zazou





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2 件のコメント

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